慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎臓の働き(ろ過機能など)が健康な人の60%未満に低下する(eGFRが60mL/分/1.73㎡未満)、あるいは、タンパク尿などの腎臓の異常が3ヶ月以上続く状態を指します。自覚症状がほとんどないまま進行し、気づいた時には腎機能がかなり低下していることも少なくないため、「沈黙の病気」とも呼ばれています。早期発見と適切な治療が、進行を遅らせ、末期腎不全への移行や心血管疾患のリスクを減らすために非常に重要です。慢性腎臓病の主な原因としては、糖尿病(糖尿病性腎症)、高血圧(高血圧性腎硬化症)、慢性糸球体腎炎、多発性嚢胞腎などが挙げられます。これらの病気が長期にわたって腎臓に負担をかけることで、徐々に腎機能が低下していきます。慢性腎臓病は、その進行度によってステージ1からステージ5までの5段階に分類されます(eGFRの値とタンパク尿の量に基づいて評価されます)。ステージが進むにつれて、腎機能は低下し、様々な合併症が現れやすくなります。例えば、高血圧の悪化、貧血、骨がもろくなる(腎性骨症)、電解質異常、体液貯留によるむくみ、そして心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)のリスクの上昇などです。末期のステージ5になると、腎臓の機能が著しく低下し、体内に老廃物や余分な水分が蓄積して尿毒症という状態になり、透析療法や腎移植といった腎代替療法が必要となります。慢性腎臓病の診断と治療は、主に腎臓内科が専門となります。腎臓内科医は、血液検査や尿検査、画像検査などを行い、腎機能の状態や原因疾患を評価し、個々の患者さんに合わせた治療計画を立てます。治療の基本は、原因となっている疾患(糖尿病や高血圧など)の治療をしっかりと行うこと、そして、食事療法(塩分制限、タンパク質制限など)、薬物療法(降圧薬、利尿薬、貧血治療薬、吸着炭など)、生活習慣の改善(禁煙、適度な運動、体重管理など)を組み合わせ、腎機能の低下をできるだけ遅らせることです。定期的な通院と検査を受け、医師の指導のもとで根気強く治療に取り組むことが、慢性腎臓病と上手に付き合っていくために不可欠です。
慢性腎臓病(CKD)とは?進行と診療科