「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚める」といった睡眠の悩みを抱えていても、どの程度の症状になったら病院を受診すべきか、迷う方も多いのではないでしょうか。以下のような状態が続く場合は、専門医への相談を検討する目安と言えるでしょう。まず、睡眠の問題が週に3日以上あり、それが1ヶ月以上続いている場合です。特に、そのために日中の活動に支障が出ている(集中力の低下、倦怠感、気分の落ち込み、仕事や学業への影響など)場合は、早めの受診が望まれます。また、いびきが非常に大きい、睡眠中に呼吸が止まっていると家族から指摘された、日中に耐えられないほどの強い眠気がある、といった症状も、睡眠時無呼吸症候群などの可能性があり、専門的な検査と治療が必要となるサインです。脚のむずむず感で眠れない、寝ている間に激しく動き回ってしまう、といった特異な症状がある場合も、専門医の診断が必要です。受診を決めたら、医師に自分の状態を正確に伝えるための準備をしておくと、診察がスムーズに進み、より的確な診断に繋がります。まず、いつからどのような睡眠の問題があるのか、具体的に伝えられるように整理しておきましょう。例えば、「寝床に入ってから実際に眠りにつくまで2時間以上かかる」「夜中に3回以上目が覚め、その後なかなか再入眠できない」「朝、予定の時刻より2時間も早く目が覚めてしまう」など、できるだけ具体的に説明します。日中の症状についても、「午前中に強い眠気を感じて会議に集中できない」「車の運転中に眠気を感じてヒヤッとすることがある」など、日常生活への影響を伝えることが大切です。可能であれば、1~2週間程度の「睡眠日誌」をつけて持参すると非常に役立ちます。睡眠日誌には、就寝時刻、寝床に入った時刻、寝付くまでの時間、夜中に目が覚めた回数と時間、起床時刻、日中の眠気の程度、昼寝の時間、カフェインやアルコールの摂取状況、服用している薬などを記録します。これにより、医師は患者さんの睡眠パターンや生活習慣を客観的に把握しやすくなります。また、現在治療中の病気や服用している薬(市販薬やサプリメントも含む)があれば、お薬手帳などを持参して正確に伝えましょう。これらの情報を整理して伝えることで、医師は原因の推定や適切な検査・治療法の選択を行いやすくなります。