子供の舌が赤くなっていたり、ブツブツが見えたりすると、親としては心配になるものです。それが病気のサインである「イチゴ舌」なのか、それとも一時的な「舌炎」や「口内炎」なのか、見分けるのは難しいかもしれません。まず、「イチゴ舌」は、舌の表面にある舌乳頭が炎症を起こして赤く腫れ上がり、イチゴの表面のように見える状態を指します。多くの場合、発熱や喉の痛み、発疹など、全身的な症状を伴う感染症(溶連菌感染症や川崎病など)の一症状として現れます。舌全体が赤く、ブツブツが際立っているのが特徴です。一方、「舌炎」は、舌に起こる炎症の総称で、原因は様々です。例えば、口内炎の一種として舌にアフタ(白い潰瘍)ができたり、誤って舌を噛んでしまったり、熱いものを食べて火傷したりすることで部分的に赤みや痛みが生じることがあります。また、ビタミン不足や鉄欠乏性貧血、口腔乾燥(ドライマウス)、アレルギーなどが原因で舌炎が起こることもあります。これらの舌炎は、イチゴ舌のように舌全体が一様に赤くブツブツするというよりは、局所的な赤みや潰瘍、舌の表面がツルツルになる(萎縮性舌炎)など、多様な見た目を呈します。子供の場合、手足口病でも舌に水疱や潰瘍ができることがありますが、これは手や足にも同様の発疹が見られることが多いため、イチゴ舌とは区別しやすいでしょう。見分けるポイントとしては、まず舌の見た目です。イチゴ舌特有の「イチゴのようなブツブツ」があるか、舌全体が赤くなっているかを確認します。次に、全身症状の有無です。発熱、喉の痛み、発疹など、舌以外の症状がある場合は、イチゴ舌を伴う感染症の可能性が高まります。食欲不振や機嫌の悪さも手がかりになります。いずれにしても、子供の舌に異常が見られ、特に全身症状を伴う場合は、自己判断せずに小児科を受診することが最も大切です。医師が正確な診断を下し、適切な対処法を教えてくれます。