めいぼを繰り返してしまう場合、その背景にあるものを探り、対策を講じることが、再発の連鎖を断ち切るために重要です。まず考えられるのは、体質的な要因です。皮脂の分泌が多い体質の方や、アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の方は、皮膚のバリア機能が低下しやすかったり、炎症を起こしやすかったりするため、めいぼができやすい傾向があると言われています。また、マイボーム腺の機能不全(MGD)を抱えている場合も、霰粒腫を繰り返しやすくなります。MGDは、マイボーム腺からの油分の分泌が質的・量的に異常をきたす状態で、ドライアイの原因にもなります。次に、生活習慣の問題です。前述の通り、不衛生な手指で目をこする癖、不適切なコンタクトレンズの使用、アイメイクの落とし残し、睡眠不足、過度なストレス、偏った食生活などは、いずれもめいぼの再発リスクを高める要因となります。これらの習慣が改善されない限り、一時的にめいぼが治っても、再び発生する可能性は高いままです。特に、無意識の癖は自分では気づきにくいこともあるため、周囲の人に指摘してもらったり、意識して改善する努力が必要です。免疫力の低下も大きな要因です。糖尿病や自己免疫疾患などの基礎疾患を抱えている方や、免疫抑制剤を使用している方は、体の抵抗力が弱まっているため、細菌感染を起こしやすく、めいぼも繰り返しやすくなります。また、特定の基礎疾患がなくても、慢性的な疲労や栄養不足、加齢などによって免疫力が低下している場合も同様です。めいぼを繰り返す背景には、時に眼瞼炎(がんけんえん)という、まぶたの縁に起こる慢性的な炎症が隠れていることもあります。眼瞼炎があると、まつ毛の毛根やマイボーム腺の周囲が常に炎症を起こしやすい状態になっているため、麦粒腫や霰粒腫を併発しやすくなります。眼瞼炎の原因は、細菌感染、脂漏性皮膚炎、アレルギーなど様々です。もし、めいぼを頻繁に繰り返すようであれば、自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、必ず眼科医に相談しましょう。医師は、詳細な問診や診察を通じて、再発の原因を探り、適切な治療法や予防法を指導してくれます。場合によっては、基礎疾患の有無を調べるための検査が勧められることもあります。根本的な原因に対処しない限り、再発を防ぐことは難しいため、専門家のアドバイスを受けることが非常に重要です。