小さな子供、特に乳幼児は、大人に比べて体の抵抗力が弱く、消化器官も未熟です。そのため、食中毒にかかると症状が重篤化しやすく、急激に脱水症状が進む危険性があるため、特に注意が必要です。もし、お子さんが嘔吐や下痢を繰り返し、食中毒が疑われる場合、受診すべき診療科は迷うことなく「小児科」です。大人のように内科や消化器内科を受診するのではなく、まずは子供の体を総合的に診てくれる小児科医に相談することが、最も安全で確実な選択です。なぜ小児科が最適なのでしょうか。それは、小児科医が子供の体の特性を熟知しているからです。子供は、体重に占める水分の割合が大人よりも多く、嘔吐や下痢によって水分を失うと、あっという間に脱水症状に陥ってしまいます。小児科医は、子供の体重や年齢、そしてぐったりしていないか、おしっこは出ているか、口の中は乾いていないかといった、脱水症状のサインを的確に評価し、必要な水分補給の指導や、点滴の必要性を判断するプロフェッショナルです。また、食中毒の原因となる細菌やウイルスの中には、ノロウイルスやロタウイルスのように、子供に特に感染しやすいものがあります。小児科医は、これらの小児に多い感染性胃腸炎の知識と治療経験が豊富です。便の検査で原因を特定し、適切な対症療法を行います。基本的に、子供の食中毒では、下痢を無理に止める止痢薬は、菌やウイルスの排出を妨げる可能性があるため、あまり使用されません。整腸剤などで腸内環境を整えながら、自然な回復を待つのが基本ですが、その判断も小児科医の専門領域です。さらに、嘔吐や下痢といった症状は、食中毒だけでなく、腸重積や急性虫垂炎といった、緊急手術が必要な外科的な病気のサインである可能性もゼロではありません。小児科医は、これらの重篤な病気との鑑別診断も念頭に置きながら診察を行ってくれます。休日や夜間に急に症状が現れた場合は、地域の「休日夜間急患センター」や、「救急外来」を受診しましょう。その際も、可能であれば小児科医が在籍している病院を選ぶと、より安心です。子供の食中毒は、スピードが命。自己判断で様子を見ず、できるだけ早く小児科医の診察を受けてください。