足のむくみやだるさ、血管の浮き出しといった症状に気づいたとき、いきなり専門の血管外科を探して受診するのはハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。そのような場合、まずは日頃から健康相談に乗ってもらっている「かかりつけ医」に相談してみるのが良いでしょう。かかりつけ医は、内科、総合診療科、あるいは地域によっては整形外科や皮膚科の医師である場合もあります。かかりつけ医は、患者さんの普段の健康状態や既往歴を把握しているため、症状を総合的に判断し、下肢静脈瘤の可能性が高いかどうかをある程度見極めることができます。もし下肢静脈瘤が疑われる場合、かかりつけ医は、その地域で下肢静脈瘤の診療を専門的に行っている血管外科や心臓血管外科を紹介してくれます。この紹介状(診療情報提供書)には、患者さんの基本情報やこれまでの経緯、疑われる病名などが記載されており、専門医がスムーズに診療を開始するために役立ちます。また、かかりつけ医の役割は、単に専門医へ橋渡しするだけではありません。専門医での診断や治療が開始された後も、血圧管理や糖尿病治療など、全身的な健康管理を引き続き行い、専門医と情報を共有しながら患者さんをサポートします。例えば、下肢静脈瘤の治療で弾性ストッキングを着用する場合、その正しい履き方や管理について、かかりつけ医が改めて指導したり、相談に乗ったりすることもあるでしょう。あるいは、専門医での治療が一段落した後、定期的な経過観察の一部をかかりつけ医が担うこともあります。このように、かかりつけ医は、患者さんが専門的な医療を受ける際の最初の窓口となり、専門医との連携を円滑にし、治療後も継続的にサポートするという重要な役割を担っています。下肢静脈瘤かもしれないと思ったら、まずは信頼できるかかりつけ医に相談し、適切なアドバイスと必要に応じた専門医への紹介を受けることが、安心して治療を進めるための第一歩と言えるでしょう。
かかりつけ医と下肢静脈瘤専門医への橋渡し