突発性発疹の症状経過と感染力の変化
突発性発疹は、特徴的な症状の経過をたどる病気であり、その経過に伴って周囲への感染力も変化していきます。まず、ウイルスに感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、通常10日から14日程度です。この間は特に目立った症状はありませんが、体内ではウイルスが増殖しています。そして、突然38度から40度程度の高熱が出現します。この発熱は3日から5日間ほど続くことが一般的で、この時期が最もウイルス排出量が多く、周囲への感染力が高い期間と考えられています。熱は比較的高くても、赤ちゃんの機嫌はそれほど悪くなく、比較的元気な場合が多いのも突発性発疹の特徴の一つです。しかし、中には高熱に伴って熱性けいれんを起こす子もいるため、注意深い観察が必要です。この高熱期には、咳やくしゃみ、鼻水といった風邪のような症状はあまり見られないことが多いです。そして、熱が下がり始めると同時か、あるいは解熱後12時間から24時間以内にお腹や背中を中心に、細かい赤い発疹が全身に広がってきます。この発疹はかゆみを伴わないことが多く、数日で自然に消えていきます。重要なのは、この発疹が出ている時期には、既にウイルスの排出量はかなり減少し、感染力は低下していると考えられている点です。つまり、見た目には派手な発疹が出ているため心配になるかもしれませんが、周囲への感染リスクという点では、高熱が出ていた時期の方がはるかに高いのです。発疹が消え、全身状態(食欲や機嫌など)が普段通りに戻れば、感染の心配はほとんどなくなると考えて良いでしょう。ただし、完全にウイルスが体からいなくなるわけではなく、その後も唾液などから少量排出される可能性は否定できませんが、集団生活を送る上での感染リスクは著しく低下します。