咳や痰、息苦しさといった症状から気管支炎が疑われるけれど、呼吸器内科と一般的な内科、どちらを受診すれば良いのか迷うことがあるかもしれません。それぞれの診療科の役割と特徴を理解し、自分の症状や状況に合わせて選ぶことが大切です。まず、内科は、体の内部の病気全般を幅広く診療する科であり、風邪やインフルエンザといった一般的な感染症に伴う気管支炎の初期対応や治療を行います。比較的症状が軽い場合や、他に明らかな持病がない場合、あるいはかかりつけ医として普段から診てもらっている場合には、まず内科を受診するのが良いでしょう。内科医は、問診や診察、必要に応じて胸部レントゲン検査や血液検査などを行い、気管支炎の診断と、原因に応じた治療(解熱鎮痛剤、咳止め、去痰薬、抗菌薬など)を行います。また、症状が重い場合や、専門的な検査・治療が必要と判断された場合には、呼吸器内科などの専門科へ紹介してくれます。一方、呼吸器内科は、肺、気管、気管支といった呼吸器系の病気を専門とする診療科です。気管支炎の中でも、症状が長引いている(例えば、数週間以上咳が続く)、咳が非常に激しい、呼吸困難や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)がある、血痰が出る、あるいは気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支拡張症といった基礎的な呼吸器疾患がある方、喫煙歴が長い方は、呼吸器内科での専門的な診察が推奨されます。呼吸器内科では、より詳細な呼吸機能検査(肺活量や気道の状態を調べる検査)や、CT検査、喀痰検査(痰の中の細菌や細胞を調べる検査)、気管支鏡検査といった専門的な検査を行い、気管支炎の原因や重症度、他の呼吸器疾患との鑑別を精密に行います。治療も、吸入薬(気管支拡張薬や吸入ステロイド薬など)の選択や、特殊な抗菌薬の使用、酸素療法など、より専門的なアプローチが可能となります。どちらの科を受診するか迷う場合は、まずは症状の程度や持病の有無を考慮し、軽症であれば内科、重症であったり専門的な検査が必要そうであれば呼吸器内科、という大まかな目安があります。