リンパ浮腫の疑いがある場合、正確な診断と適切な治療を受けるためには、リンパ浮腫の診療に精通した専門医や医療機関を見つけることが非常に重要です。しかし、まだ専門施設が限られているため、どこで診てもらえば良いのか迷う方も少なくないでしょう。リンパ浮腫の診断は、まず詳細な問診と視診、触診から始まります。いつから、どの部位にむくみが現れたか、むくみの程度や進行具合、原因と考えられる病気(がん治療歴など)の有無、他に症状(痛み、だるさ、皮膚の変化など)はあるかなどを詳しく聞き取ります。そして、むくんでいる腕や足の太さを測定したり(周径測定)、皮膚の状態(硬さ、色調、乾燥、感染の兆候など)を観察したりします。これらの診察所見からリンパ浮腫が強く疑われる場合、さらに原因や状態を詳しく調べるために検査が行われることがあります。代表的な検査としては、リンパ管シンチグラフィがあります。これは、微量の放射性同位元素を皮下に注射し、リンパ液の流れを画像化する検査で、リンパ管の機能や閉塞の有無などを評価することができます。また、MRI検査やCT検査、超音波検査なども、リンパ浮腫の状態や、他の疾患(例えば、深部静脈血栓症や腫瘍など)との鑑別、あるいは手術適応の判断などに用いられることがあります。ICGリンパ管蛍光造影検査という、特殊な蛍光色素を用いてリンパ管の走行や機能をリアルタイムで観察する検査も、一部の専門施設で行われています。では、これらの診断や治療を行ってくれる専門医や医療機関はどのように見つければ良いのでしょうか。まず、リンパ浮腫の原因となった病気(がん治療など)の主治医に相談し、専門の医療機関を紹介してもらうのが最も確実な方法の一つです。また、がん診療連携拠点病院や、日本リンパ浮腫学会、日本脈管学会などの関連学会のホームページで、リンパ浮腫の診療を行っている医療機関や専門医のリストを検索することもできます。地域によっては、リンパ浮腫患者会などの支援団体が情報提供を行っている場合もあります。諦めずに情報を集め、信頼できる専門医を見つけることが、リンパ浮腫と上手に付き合っていくための第一歩となります。
リンパ浮腫の診断どこで?専門医の見つけ方