足のだるさやむくみ、血管が浮き出るなどの症状が現れ、「もしかしたら下肢静脈瘤かもしれない」と感じたとき、最初にどの診療科の扉を叩くべきか、迷うのは当然です。結論から言うと、下肢静脈瘤の診断と治療を専門的に行っているのは「血管外科」または「心臓血管外科」です。これらの診療科は、文字通り血管の病気を専門としており、下肢静脈瘤の原因である静脈の逆流や拡張を正確に評価し、適切な治療法を提案してくれます。特に、足の血管がボコボコとこぶのように浮き出ている場合や、長時間の立ち仕事をしていて夕方になると足がパンパンに張る、夜中に足がつって目が覚めることが多い、といった具体的な症状がある場合は、まず血管外科か心臓血管外科の受診を検討しましょう。これらの診療科では、問診や視診に加えて、超音波(エコー)検査を行います。この検査は痛みもなく、リアルタイムで静脈内の血液の流れや逆流の有無、血管の太さなどを詳細に確認できるため、下肢静脈瘤の診断には不可欠です。検査結果に基づいて、医師が静脈瘤のタイプや重症度を判断し、今後の治療方針について説明してくれます。もし近くに血管外科や心臓血管外科がない場合や、どこを受診すればよいか分からない場合は、かかりつけの内科医や皮膚科医に相談してみるのも一つの方法です。かかりつけ医であれば、症状から下肢静脈瘤の可能性を判断し、適切な専門医を紹介してくれることがあります。ただし、皮膚の湿疹やかゆみが主症状の場合は皮膚科を受診しがちですが、その原因が下肢静脈瘤であることも多いため、皮膚症状が改善しない場合は血管外科への受診も考慮に入れるべきです。何よりも大切なのは、自己判断で放置せず、気になる症状があれば早めに専門医に相談することです。早期発見・早期治療が、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻すための鍵となります。