大人の睡眠障害が注目されがちですが、実は子供たちの中にも様々な睡眠の問題を抱えているケースは少なくありません。夜泣きがひどい、寝つきが悪い、夜驚症(睡眠中に突然叫び声をあげて起き上がる)、睡眠時無呼吸、日中の過度な眠気など、その症状は多岐にわたります。子供の睡眠の問題で悩んだとき、まず最初の相談窓口となるのは、かかりつけの小児科医です。小児科医は、子供の成長発達全般を診る専門家であり、睡眠の問題が成長や発達段階に応じた生理的な範囲内のものであるか、あるいは何らかの疾患が背景にあるのかを大まかに判断してくれます。例えば、乳幼児期の夜泣きや寝ぐずりは、ある程度は成長過程で見られる現象ですが、その程度が著しい場合や長期間続く場合は、生活リズムの乱れや不適切な寝かしつけ習慣、あるいは稀にですが病気が隠れている可能性も考慮する必要があります。小児科医は、保護者から詳しく話を聞き、生活習慣の指導や環境調整のアドバイスを行ってくれます。また、子供の睡眠時無呼吸症候群も近年注目されています。アデノイドや扁桃の肥大が原因となることが多く、いびき、陥没呼吸、口呼吸、おねしょ、日中の落ち着きのなさや学業不振といった症状が見られることがあります。小児科医が診察し、必要と判断されれば、耳鼻咽喉科や睡眠専門医を紹介し、精密検査や治療へと繋げてくれます。発達障害(自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症など)のある子供は、睡眠リズムの乱れや入眠困難、中途覚醒といった睡眠の問題を抱えやすいことが知られています。このような場合も、まずは小児科医や発達を専門とする医師に相談し、発達特性を踏まえた上での睡眠へのアプローチを検討していくことになります。思春期になると、睡眠相後退症候群といって、体内時計が遅れることで夜型化し、朝起きられない、日中に眠いといった問題が生じやすくなります。これも単なる怠けではなく、医学的な対応が必要な場合があります。小児科医は、必要に応じて児童精神科医や睡眠専門医と連携を取りながら、適切な診断と治療方針を立てていきます。子供の睡眠の問題は、成長や発達、学業、情緒の安定にも大きく影響するため、気になることがあれば早めに小児科医に相談し、専門家の助けを借りながら解決していくことが大切です。保護者だけで抱え込まず、積極的に医療機関を頼るようにしましょう。
子供の眠りの悩み、小児科医との連携