家族の誰かがものもらい(麦粒腫や霰粒腫)になった時、他の家族にうつしてしまうのではないかと心配になるかもしれません。前述の通り、ものもらいの感染力は、はやり目ほど強くはありませんが、家庭内で感染を広げないために、いくつかの点に注意しておくと安心です。まず、ものもらいになっている本人が気をつけるべきことは、患部を清潔に保ち、できるだけ触らないことです。もし触ってしまった場合は、すぐに石鹸と流水で手をよく洗うようにしましょう。特に、麦粒腫で膿が出ている場合は、その膿に触れないように注意が必要です。次に、家族が気をつけるべきこととしては、タオルの共用を避けることが挙げられます。バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルなど、全て個人専用のものを用意し、他の家族のタオルと混ざらないように管理しましょう。洗濯は、他の家族の洗濯物と一緒に洗っても基本的には問題ありませんが、気になる場合は分けて洗ったり、あるいは乾燥機を使用したりすると、より安心です。寝具(枕カバーなど)も、こまめに洗濯すると良いでしょう。また、ものもらいになっている人が使った目薬を、他の家族が使用するのは絶対に避けてください。目薬の容器の先端に細菌が付着している可能性があり、それが感染の原因となることがあります。お風呂の順番については、特に神経質になる必要はありませんが、心配であれば、ものもらいになっている人が最後に入浴するか、あるいは湯船のお湯を毎日入れ替えるといった配慮をしても良いでしょう。そして、最も重要なのは、家族全員が手洗いの習慣を徹底することです。外出後やトイレの後、食事の前など、こまめに石鹸と流水で手を洗うことが、様々な感染症の予防に繋がります。もし、家庭内で短期間に複数の人がものもらいを発症するような場合は、生活環境の衛生状態や、手洗いの習慣などを見直してみる必要があるかもしれません。また、症状が改善しない、あるいは悪化するようであれば、早めに眼科を受診するように促しましょう。