「自分は甘いものをたくさん食べても太らないし、血糖値もきっと大丈夫だろう」「家族に糖尿病の人はいないから安心だ」…。そう思っている方でも、油断は禁物です。糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、気づいた時には合併症が進行しているというケースも少なくありません。甘いものを食べても糖尿病にならないように見える人でも、見えないところでリスクが蓄積している可能性は否定できません。前述の通り、糖尿病の発症には、遺伝的要因、インスリンの分泌能力や感受性、筋肉量、食生活全体のバランス、運動習慣、ストレス管理といった様々な要素が複雑に関与しています。たとえ現時点では健康に見えても、加齢とともにこれらの要素は変化していきます。例えば、年齢とともに筋肉量は自然と減少しやすく、基礎代謝も低下する傾向があります。また、仕事や家庭環境の変化によって、食生活が乱れたり、運動不足になったり、ストレスが増えたりすることもあるでしょう。これらの変化が積み重なることで、以前は問題なかった血糖コントロールが徐々に悪化し、気づかないうちに糖尿病予備群(境界型糖尿病)、そして本格的な糖尿病へと進行していく可能性があります。特に、日本人は欧米人に比べて、遺伝的にインスリンを分泌する能力が低い人が多いと言われています。そのため、それほど太っていなくても、ちょっとした生活習慣の乱れや加齢がきっかけで、糖尿病を発症しやすい体質であると考えられています。したがって、「自分は大丈夫」と過信せず、定期的な健康診断を受けることが非常に重要です。健康診断では、空腹時血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映する指標)といった項目で、糖尿病のスクリーニングが行われます。これらの検査で異常が指摘された場合は、速やかに医療機関を受診し、精密検査や生活習慣の指導を受けるようにしましょう。早期発見と早期対応が、糖尿病の進行を食い止め、健康な生活を長く続けるための鍵となります。
「大丈夫」は禁物!糖尿病リスクと定期健診