子供の頃に水疱瘡にかかったかどうか、はっきりと覚えていないという方は意外と多いのではないでしょうか。特に軽症で済んだ場合や、他の病気と混同している可能性もあり、記憶だけでは曖昧なことも少なくありません。しかし、水疱瘡の罹患歴は、特に成人してからや妊娠を考えている女性にとっては重要な情報となります。なぜなら、大人が初めて水疱瘡にかかると重症化しやすく、また妊娠中の初感染は胎児に影響を及ぼす可能性があるからです。まず試せる確認方法としては、ご自身の母子健康手帳を見てみることです。予防接種の記録欄や、罹患した病気の記録欄に記載があるかもしれません。また、ご両親やご兄弟に当時の状況を尋ねてみるのも有効な手段です。特徴的な発疹が出たか、保育園や学校で流行していなかったかなど、具体的なエピソードから思い出せることもあります。水疱瘡は一度かかると基本的に終生免疫が得られるとされていますが、ごく稀に再感染することもあります。しかし、多くの場合は幼少期に一度経験していることが多い病気です。それでも罹患歴がはっきりしない場合、最も確実な方法は医療機関で抗体検査を受けることです。血液検査によって、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体があるかどうかを調べることができます。抗体があれば過去に感染したか、ワクチンを接種したことがある証拠になります。抗体がなければ未感染である可能性が高いと判断されます。自身の健康管理のため、また周囲への感染拡大を防ぐためにも、罹患歴が不明な場合は一度確認してみることをお勧めします。特に医療従事者や保育関係者、妊娠を希望する方やそのパートナーは、抗体の有無を把握しておくことが望ましいでしょう。