毎年秋になると話題になるインフルエンザ予防接種。その効果について、正しく理解しているでしょうか。「接種したのにかかってしまった」という声も聞かれますが、予防接種にはどのような意味があるのでしょうか。インフルエンザ予防接種の最大の目的は、「発症を完全に防ぐこと」というよりも、「発症した場合の重症化を防ぐこと」にあります。ワクチンを接種することで、体内にインフルエンザウイルスに対する免疫(抗体)が作られます。この抗体は、ウイルスが体内に侵入してきた際に、ウイルスの増殖を抑えたり、細胞への感染を防いだりする働きをします。その結果、たとえインフルエンザウイルスに感染したとしても、発熱や咳、喉の痛みといった症状が軽く済んだり、肺炎や脳症といった重篤な合併症を引き起こすリスクを大幅に減らしたりすることが期待できるのです。特に、高齢者や乳幼児、基礎疾患(糖尿病、心臓病、呼吸器疾患など)を持つ方、そして妊娠中の方は、インフルエンザが重症化しやすいため、予防接種による重症化予防効果は非常に重要となります。また、予防接種には、個人を守るだけでなく、社会全体への感染拡大を防ぐ「集団免疫」の効果も期待されています。多くの人がワクチンを接種することで、ウイルスが人から人へ広がるのを抑え、結果としてワクチンを接種できない人(例えば、生後6ヶ月未満の赤ちゃんや、特定の病気で接種できない人など)を守ることにも繋がるのです。インフルエンザワクチンは、その年に流行が予測されるウイルスの型に合わせて毎年製造されています。そのため、毎年接種することが推奨されています。接種後、抗体ができるまでには通常約2週間程度かかり、その効果は約5ヶ月間持続すると言われています。流行シーズンに入る前の、10月から12月中旬頃までに接種を済ませておくのが理想的です。
インフルエンザ予防接種その効果と仕組み