咳や痰、発熱といった症状が現れると、それが気管支炎なのか、それともより重篤な肺炎なのか、心配になることがあるでしょう。どちらも呼吸器の炎症性疾患ですが、炎症が起こる場所や症状の重さ、治療法などが異なります。その違いを理解しておくことは、適切な対応に繋がります。まず、炎症が起こる場所ですが、気管支炎は、気管から肺へとつながる空気の通り道である「気管支」の粘膜に炎症が起こる病気です。一方、肺炎は、肺の中のガス交換を行う最も重要な部分である「肺胞(はいほう)」やその周辺の組織(間質)に炎症が起こる病気です。症状の現れ方にも違いが見られることがあります。気管支炎の主な症状は、咳(乾いた咳から痰がらみの咳へ変化することが多い)と痰です。発熱や全身倦怠感を伴うこともありますが、肺炎に比べると比較的軽症で済むことが多いです。一方、肺炎では、三十八度以上の高熱や、激しい咳、膿性の痰(黄色や緑色、時には錆び色のことも)、そして呼吸困難(息苦しさ、呼吸が速いなど)、胸痛といった症状が、気管支炎よりも強く現れる傾向があります。また、全身倦 facteurs感や食欲不振、悪寒、関節痛、筋肉痛といった全身症状も顕著になることが多いです。ただし、高齢者や免疫力の低下している方では、肺炎であっても典型的な高熱や咳が出にくく、何となく元気がない、食欲がない、意識が朦朧とするといった非典型的な症状で発症することもあるため注意が必要です。診断においては、胸部レントゲン(X線)検査が重要な手がかりとなります。気管支炎の場合、レントゲンでは明らかな異常が見られないことが多いですが、肺炎では、肺に炎症による影(浸潤影)が認められます。また、血液検査では、肺炎の方が炎症反応(白血球数やCRPなど)がより強く出ることが一般的です。気管支炎と肺炎は、治療法も異なります。気管支炎の多くはウイルス性が原因であるため対症療法が中心となりますが、肺炎の場合は細菌性が原因であることが多く、抗菌薬による治療が必須となります。自己判断せずに、症状が強い場合や長引く場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。