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境界型糖尿病とは?糖尿病予備軍の危険なサイン
健康診断の結果を見て、「境界型糖尿病」あるいは「糖尿病予備軍」という言葉に、ドキッとした経験はありませんか。この「境界型」という言葉の響きから、「まだ病気ではないから大丈夫」「少し気をつければいいのだろう」と、軽く考えてしまう人も少なくありません。しかし、その認識は非常に危険です。境界型糖尿病は、放置すれば本格的な糖尿病へと進行する可能性が極めて高い、まさに崖っぷちの状態。あなたの体が発している、重大な警告サインなのです。境界型糖尿病とは、血糖値が「正常型」と「糖尿病型」のちょうど中間に位置する状態を指します。具体的には、空腹時血糖値(食事前の血糖値)が110〜125mg/dL、または、ブドウ糖負荷試験(75gのブドウ糖液を飲んだ後の血糖値の変化を調べる検査)で2時間後の血糖値が140〜199mg/dLの範囲にある場合と定義されます。この状態は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」の効きが悪くなったり(インスリン抵抗性)、インスリンを分泌する膵臓の働きが弱まったり(インスリン分泌不全)し始めていることを示しています。つまり、あなたの体の中では、血糖値をコントロールするシステムに、すでに明らかな異常が生じ始めているのです。境界型糖尿病の最も恐ろしい点は、ほとんどの場合、自覚症状が全くないことです。喉の渇きや頻尿、体重減少といった、典型的な糖尿病の症状が現れることはまずありません。そのため、健康診断などで偶然指摘されない限り、気づかないまま放置されがちです。しかし、その水面下では、高血糖による血管へのダメージが静かに、しかし着実に進行しています。境界型と診断された人のうち、年間で約5〜10%が本格的な糖尿病へと移行すると言われています。この段階で生活習慣を改善しなければ、数年後には糖尿病と診断される可能性が非常に高いのです。境界型糖尿病は、病気ではないからと安心する状態ではありません。むしろ、本格的な糖尿病への進行を食い止め、健康な未来を取り戻すための、最後のチャンスが与えられた状態だと考えるべきです。