リンパ浮腫の発症リスクがある方(例えば、がんの手術でリンパ節郭清を受けた方など)や、すでにリンパ浮腫と診断された方が、症状を悪化させないためには、日常生活でのセルフケアと注意点が非常に重要になります。完全に発症を防いだり、進行を止めたりすることは難しい場合もありますが、適切な対策を講じることで、症状のコントロールやQOL(生活の質)の維持が期待できます。まず、最も大切なのは、患部を清潔に保ち、感染を予防することです。リンパ浮腫の患部は免疫力が低下しやすく、細菌感染(蜂窩織炎など)を起こすと、急激に症状が悪化する可能性があります。毎日、皮膚を優しく洗い、乾燥を防ぐために保湿剤を丁寧に塗布しましょう。小さな傷や虫刺され、日焼けなどにも注意し、もし傷ができてしまったら、すぐに消毒して清潔に保ち、治りが悪い場合は医師に相談してください。次に、患部に過度な負担をかけないようにすることです。重い物を持ったり、長時間同じ姿勢でいたり、きつい下着やアクセサリーで締め付けたりするのは避けましょう。正座やあぐらも、足のリンパの流れを妨げる可能性があります。また、患部を過度に温めすぎたり、冷やしすぎたりするのも良くありません。長時間のサウナや熱いお風呂、あるいは逆に極端な寒冷刺激は避けるようにしましょう。適度な運動は、リンパの流れを促進するのに役立ちます。医師やリンパ浮腫療法士の指導のもと、ウォーキングや水泳、専用のリンパ体操などを、無理のない範囲で行いましょう。ただし、激しい運動や、患部に負担のかかる運動は避けるべきです。体重管理も重要です。肥満はリンパ浮腫を悪化させる要因となるため、バランスの取れた食事を心がけ、適正体重を維持するようにしましょう。塩分の摂りすぎも、むくみを助長するため注意が必要です。そして、医師から弾性着衣(弾性スリーブや弾性ストッキングなど)の使用を指示されている場合は、日中の活動時に正しく着用することが、リンパ液の再貯留を防ぎ、症状の悪化を抑制する上で非常に効果的です。これらの注意点を守り、定期的に専門医の診察を受け、リンパ浮腫と上手に付き合っていくことが大切です。
リンパ浮腫の予防と日常生活での注意点