インフルエンザの予防接種を受けようと考えた時、気になるのが「いつ接種すれば効果的で、その効果はいつまで続くのか」という点でしょう。適切な時期に接種し、効果を最大限に活用するためにも、これらの情報を理解しておくことが大切です。まず、ワクチンを接種してから体内でインフルエンザウイルスに対する免疫(抗体)ができるまでには、通常、約2週間程度の時間がかかります。つまり、接種してすぐに効果が現れるわけではありません。そのため、本格的なインフルエンザの流行シーズンが始まる前に、接種を完了しておくことが望ましいとされています。日本では、例年12月頃からインフルエンザの流行が始まり、1月から3月頃にピークを迎えることが多いです。したがって、10月から12月中旬頃までに予防接種を受けるのが理想的と言えるでしょう。もちろん、流行が始まってからでも、接種する意味がないわけではありません。流行のピークが遅れたり、春先まで流行が続いたりすることもあるため、接種が遅れてしまった場合でも、医師に相談の上、接種を検討する価値はあります。次に、予防接種の効果がいつまで持続するのかという点ですが、一般的には約5ヶ月間程度と考えられています。インフルエンザワクチンによって作られた抗体の量は、接種後2週間から1ヶ月程度でピークに達し、その後、徐々に減少していきます。そのため、翌年の流行シーズンには、効果が十分に期待できなくなっている可能性があります。また、インフルエンザウイルスは変異しやすく、毎年流行するウイルスの型も異なるため、その年の流行予測に基づいてワクチンが製造されます。したがって、前年にワクチンを接種していたとしても、その年の流行に対応するためには、毎年新たに予防接種を受けることが推奨されています。特に、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ方、そして生後6ヶ月から12歳の子ども(通常2回接種が必要)は、適切な時期に確実に接種を完了することが重要です。