一言で「めいぼ」と言っても、原因を正確に特定することが、適切な治療と再発予防の第一歩となります。麦粒腫の場合、主な原因は黄色ブドウ球菌などの細菌感染です。問診では、いつから症状が出たか、痛みや赤みの程度、コンタクトレンズの使用状況、最近の体調(疲労やストレスの有無)などを詳しくお伺いします。診察では、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)という機器を使って、まぶたの腫れや発赤の部位、膿の有無、まつ毛の毛根の状態などを詳細に観察します。これにより、感染の範囲や程度を把握します。治療は、基本的には抗菌薬の点眼や眼軟膏が中心となります。炎症が強い場合や、なかなか改善しない場合には、内服の抗菌薬を併用することもあります。膿が溜まって自然に破れそうにない場合は、ごく小さな切開を加えて排膿処置を行うこともあります。一方、霰粒腫はマイボーム腺の詰まりが原因です。こちらは細菌感染ではないため、麦粒腫のような急性の強い炎症症状は少ないことが多いですが、しこりが大きくなると異物感や整容的な問題が生じます。初期の小さなものであれば、温罨法(おんあんぽう:まぶたを温めること)や、ステロイドの点眼・眼軟膏、あるいはしこりへのステロイド注射などで改善することもあります。しかし、保存的治療で改善しない場合や、しこりが大きくて硬い場合には、手術的に摘出することを検討します。手術は局所麻酔下で、まぶたの裏側から行うことが多く、比較的短時間で済みます。めいぼを繰り返す方に対しては、その背景にある原因を探ることが重要です。例えば、眼瞼炎が基礎にある場合は、その治療(リッドハイジーンと呼ばれるまぶたの清拭など)を併せて行います。コンタクトレンズの不適切な使用が疑われる場合は、正しいケア方法を指導し、レンズの種類変更を提案することもあります。全身的な要因、例えば糖尿病のコントロールが悪い場合や、免疫力が低下しているような状況が考えられる場合は、内科医との連携も視野に入れます。大切なのは、症状が出たら自己判断せずに早めに受診していただくことです。そして、医師の指示に従って根気よく治療を続けること、さらに日頃から目の周りを清潔に保ち、バランスの取れた生活を送ることで、めいぼの発生リスクを減らすことができます。
プロが語る、めいぼの原因特定と対策