発熱とともに太ももに痛みがある場合、その痛みが筋肉ではなく、関節(股関節や膝関節など)に由来している可能性も考えられます。関節に炎症が起こる「関節炎」は、様々な原因で発症し、発熱を伴うこともあります。代表的な関節炎と、その鑑別のポイントについて見ていきましょう。まず、細菌が関節内に侵入して炎症を起こす「化膿性関節炎」です。これは、急激な関節の腫れ、赤み、熱感、そして激しい痛みが特徴で、高熱や悪寒といった全身症状を伴います。股関節や膝関節は、化膿性関節炎が起こりやすい部位の一つです。放置すると関節が破壊されてしまうため、緊急の治療(抗菌薬の投与や、場合によっては関節内の洗浄など)が必要です。次に、「関節リウマチ」です。これは、免疫の異常によって関節に慢性的な炎症が起こる自己免疫疾患で、手の指や足の指、手首、膝、股関節など、複数の関節に左右対称に腫れや痛み、朝方のこわばりなどが現れます。微熱や倦怠感といった全身症状を伴うこともあります。血液検査でリウマチ因子や抗CCP抗体などが陽性となることがあります。「痛風」や「偽痛風」といった結晶誘発性関節炎も、急性の激しい関節炎を引き起こします。痛風は、尿酸の結晶が関節内に沈着することで起こり、足の親指の付け根に好発しますが、膝関節や足首、稀に股関節にも起こることがあります。偽痛風は、ピロリン酸カルシウムの結晶が原因で、高齢者の膝関節などによく見られます。どちらも、突然の激しい痛み、腫れ、赤み、熱感を伴い、発熱することもあります。また、「若年性特発性関節炎(小児リウマチ)」は、16歳未満で発症する原因不明の慢性関節炎で、発熱や皮疹、関節痛などを伴うタイプもあります。その他、反応性関節炎(細菌感染後に起こる関節炎)や、乾癬性関節炎(皮膚疾患である乾癬に伴う関節炎)、あるいはウイルス感染に伴う一過性の関節炎なども、発熱と関節痛の原因となり得ます。これらの関節炎は、それぞれ治療法が異なるため、正確な診断が重要です。整形外科やリウマチ科を受診し、血液検査や画像検査、関節液検査などを受け、原因を特定してもらいましょう。
関節炎やリウマチも?発熱と太ももの痛みの鑑別