突発性発疹は、多くの赤ちゃんが経験する一般的な感染症ですが、どのようにしてうつるのか、その感染経路を正しく理解しておくことは、予防や周囲への配慮のために重要です。突発性発疹の原因ウイルスであるヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)や7型(HHV-7)は、主に感染者の唾液などの気道分泌物に含まれています。したがって、主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」の二つと考えられています。飛沫感染とは、感染している人が咳やくしゃみをした際に、ウイルスを含んだ小さな飛沫(しぶき)が飛び散り、それを近くにいる人が吸い込むことで感染する経路です。乳幼児はまだ免疫機能が未熟なため、少量のウイルスでも感染しやすい傾向があります。特に、家庭内や保育施設など、子供たちが密集する環境では注意が必要です。もう一つの接触感染は、ウイルスが付着した手で目や鼻、口などの粘膜に触れることで感染する経路です。例えば、感染している子供がくしゃみを手で押さえ、その手でおもちゃを触り、別の子供がそのおもちゃで遊んで、その手で自分の顔を触る、といったケースが考えられます。また、看病する大人が、おむつ交換や鼻水を拭いた後などに十分に手洗いをしないまま他の物に触れ、そこから感染が広がる可能性も否定できません。突発性発疹のウイルスは、感染しても症状が出ない不顕性感染(ふけんせいかんせん)の形で大人や年長児が持っていることもあり、そうした無症状の保菌者から乳幼児へとうつるケースも少なくないと言われています。特に家族内での感染が多く見られ、両親や兄弟姉妹から赤ちゃんへ感染することが多いようです。感染予防のためには、手洗いやうがいを励行し、咳エチケットを守ること、そして乳幼児が口にする可能性のあるおもちゃなどをこまめに清潔に保つことが大切です。