2025年7月
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大人が水疱瘡にかかると本当に重症化する?
「子供の病気」というイメージが強い水疱瘡ですが、実は大人が初めてかかると、子供に比べて症状が重く出やすい傾向があることをご存知でしょうか。水疱瘡の原因は水痘・帯状疱疹ウイルスですが、このウイルスに初めて感染するのが成人期であった場合、様々な理由から重症化リスクが高まると言われています。子供の頃は比較的軽症で済むことが多い水疱瘡も、大人では高熱が長く続いたり、発疹の数が非常に多くなったり、強い倦怠感に見舞われたりすることがあります。発疹は水ぶくれとなり、強いかゆみを伴いますが、これが全身に広範囲に出現するため、日常生活にも大きな支障をきたします。さらに注意が必要なのは合併症です。成人の水疱瘡では、肺炎(水痘肺炎)や脳炎、髄膜炎といった重篤な合併症を引き起こすリスクが子供よりも高いとされています。特に水痘肺炎は、咳や呼吸困難などの症状が現れ、入院治療が必要になることも少なくありません。また、皮膚の細菌感染や、発疹が治った後に瘢痕(あと)が残りやすいといった問題も指摘されています。喫煙者や免疫力が低下している方、妊娠中の方などは、特に重症化や合併症のリスクが高いと考えられています。もし過去に水疱瘡にかかった記憶がなく、抗体もない状態で水疱瘡患者と接触してしまった場合や、水疱瘡を疑う症状が出た場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診することが重要です。早期に適切な治療を開始することで、症状の悪化や合併症のリスクを軽減できる可能性があります。罹患歴が不明な方は、一度抗体検査を受け、必要であればワクチン接種を検討することも、自身を守るための大切な対策と言えるでしょう。