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高血圧治療の基本は生活習慣の改善から
高血圧の治療というと、すぐに薬を飲むことをイメージされるかもしれませんが、実はその基本であり最も重要なのは生活習慣の改善です。薬物治療が必要な場合でも、生活習慣の改善は並行して行うべきものであり、これにより薬の効果が高まったり、薬の量を減らせたりする可能性もあります。生活習慣の改善は、高血圧の根本的な原因にアプローチする方法であり、長期的な健康維持に不可欠です。まず見直すべきは食事です。特に重要なのが減塩です。日本人の食塩摂取量は依然として多い傾向にあり、高血圧の大きな原因の一つとされています。1日の食塩摂取目標は6グラム未満とされていますが、まずは普段の食事から塩分を意識的に減らすことから始めましょう。加工食品や外食を控え、薄味を心がける、香辛料や香味野菜を上手に使って風味を補うなどの工夫が有効です。次に適正体重の維持です。肥満は高血圧のリスクを高めます。体重を減らすことで血圧が下がることも多く、BMI(体格指数)で25未満を目指すことが推奨されます。食事療法と合わせて、適度な運動を取り入れることが重要です。有酸素運動、例えばウォーキングやジョギング、水泳などを1日30分以上、週に3回以上行うことが目標です。運動は血圧を下げるだけでなく、ストレス解消や脂質異常症、糖尿病の改善にも繋がります。また、節酒も大切です。アルコールの過剰摂取は血圧を上昇させます。適量を守り、休肝日を設けるようにしましょう。そして禁煙です。喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を進行させるため、高血圧の患者さんにとっては絶対に避けるべきです。これらの生活習慣の改善は、最初は難しく感じるかもしれませんが、一つ一つ無理のない範囲で取り組んでいくことが大切です。どの項目から手をつけるべきか、具体的な目標設定などは、かかりつけの内科医や管理栄養士、保健師などに相談しながら進めていくと良いでしょう。生活習慣の改善は、高血圧治療の第一歩であり、生涯にわたる健康の礎となるのです。