-
術後不整脈に備える。知っておくべき医療情報
カテーテルアブレーション治療は不整脈治療における重要な選択肢ですが、術後に不整脈が再発したり、新たな不整脈が出現したりする可能性も考慮しておく必要があります。まず、アブレーション治療後の一般的なフォローアップ体制について理解しておきましょう。通常、退院後も定期的な外来受診が必要となり、心電図検査やホルター心電図(24時間装着する心電図)などを用いて、不整脈の状態や心機能を経過観察します。症状によっては、より長期間心電図を記録できるイベント心電計や、体内に植え込む小型のループレコーダーが用いられることもあります。これらの検査は、症状がない時にも不整脈が発生していないか、あるいは症状の原因が本当に不整脈なのかを明らかにするために重要です。もし術後に不整脈が確認された場合、その種類や頻度、症状の程度、患者さんの全身状態などを総合的に評価し、治療方針が決定されます。選択肢としては、まず生活習慣の改善や基礎疾患の治療強化が挙げられます。それでもコントロールが難しい場合は、薬物療法の開始や変更、あるいは再度のアブレーション治療(再アブレーション)が検討されます。再アブレーションは、初回治療で効果が不十分だった場合や、新たな不整脈が出現した場合に行われます。手技の難易度は初回よりも高くなる傾向がありますが、多くの施設で実績があり、良好な成績も報告されています。使用される薬剤には、心拍数を調整する薬、不整脈の発生を抑える薬(抗不整脈薬)、血栓形成を予防する薬(抗凝固薬)などがあり、患者さんの状態に合わせて選択されます。抗不整脈薬には様々な種類があり、それぞれ効果や副作用が異なるため、医師からの十分な説明を受けることが大切です。また、不整脈治療の分野は日進月歩であり、新しいカテーテル技術やマッピングシステム、治療戦略などが常に開発・研究されています。信頼できる情報源としては、日本不整脈心電学会などの専門学会のウェブサイトや、担当医からの情報が最も確実です。インターネット上には様々な情報が溢れていますが、その全てが正確とは限らないため、情報の取捨選択には注意が必要です。医療費に関しては、高額療養費制度などの公的な助成制度が利用できる場合があるので、医療機関の相談窓口や自治体に確認してみるとよいでしょう。