投稿者: 9o24yfrzx
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下肢静脈瘤で皮膚科?それとも血管外科?
足に血管が浮き出てきたり、皮膚の色素沈着や湿疹が見られたりすると、「これは皮膚の病気だろうか、それとも血管の問題だろうか」と悩み、何科を受診すべきか迷うことがあります。特に、下肢静脈瘤が進行すると、うっ滞性皮膚炎といって、皮膚にかゆみや湿疹、色素沈着、さらには潰瘍(かいよう)ができてしまうことがあります。これらの皮膚症状が現れると、まず皮膚科を受診しようと考えるのは自然な流れかもしれません。皮膚科では、これらの皮膚症状に対して、ステロイド外用薬や保湿剤の処方、スキンケア指導など、皮膚の炎症を抑えたり保護したりする対症療法が行われます。これにより、かゆみや湿疹などの症状はある程度改善することが期待できます。しかし、これらの皮膚症状の根本的な原因が下肢静脈瘤による静脈血のうっ滞である場合、皮膚科での治療だけでは根本解決には至りません。静脈の逆流を改善しない限り、皮膚症状は再発を繰り返す可能性が高いのです。したがって、下肢静脈瘤が疑われる皮膚症状(特に足首周辺の湿疹や色素沈着、治りにくい傷など)がある場合は、皮膚科での治療と並行して、あるいは最初に「血管外科」または「心臓血管外科」を受診し、静脈の状態を評価してもらうことが非常に重要です。血管外科では、超音波検査などで静脈の逆流の有無や程度を正確に診断し、その結果に基づいて弾性ストッキングの着用指導、硬化療法、血管内焼灼術、手術といった根本的な治療法を提案してくれます。皮膚症状が重度になる前に、あるいは皮膚症状の原因が下肢静脈瘤であると診断された場合には、速やかに血管外科での専門的な治療を受けることで、症状の進行を防ぎ、より良好な治療結果を得ることが期待できます。